CSS Nite in KOBE, Vol.35 無事終了しました


CSS Nite in KOBE, Vol.35 「EC事業者 x ウェブ制作者が、今あらためて思考すべきこと 〜ビジネスを加速させるために越えるべき壁〜」吉村 正裕(サイバー・アシスト)/村田 光俊(プリンシプル)/中林 慎太郎(フランツ)/TD(フリーランス)/大月 茂樹(ニイハチヨンサン)は無事終了しました。猛暑の中、長時間のセミナーに参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

参加者のみなさんには、追ってフォローアップメールを送信いたしますのでしばらくお待ちください。


吉村さんのセッション


村田さんのセッション


中林さんのセッション


TDのセッション


大月さんのセッション


全員で朝生風パネルディスカッション


参加したみなさん、是非ブログなどで感想をアウトプットしてください。
#cssnite_kobe のハッシュタグを付けてTweet、またはメールでお知らせいただければ、こちらや、Facebookページ、Twitterで紹介させていただきます。


次回は、9月22日(土) Vol.36 昨年のVol.21と29で大変好評だった、益子さんと、松田さんの「まぼろし」スペシャルの予定で企画中です。8月上旬に公開予定です。



追記(2019.2.7)-------------------

CSS Nite Best Sessions 2018



2018年に全国各地で開催されたCSS Nite 関連イベント29回 全125セッションの中から、当セミナーの
「ECよ、今こそ 八百屋さんの商いに学べ 〜過渡期に突入した イーコマースで生き残るために最低限 必要な6つのこと〜」と「EC事業者が自滅しないために必要な業務カイゼン 〜ウェブ制作者だった私がサイトを作らずに利益を増やした話〜」がベスト20、【パネルディスカッション】「EC事業者 x ウェブ制作者が、今あらためて思考すべきこと」でモデレーターを担当した吉村さんがベスト・モデレーターに選ばれました。ありがとうございます!
該当セッションのフォローアップと動画を公開いたします。

「ECよ、今こそ 八百屋さんの商いに学べ 〜過渡期に突入した イーコマースで生き残るために最低限 必要な6つのこと〜」吉村 正裕(サイバー・アシスト)

Session1を担当した吉村です。みなさん、暑い中長時間のセミナーにご参加いただき、ありがとうございました。

「ECは商売の一形態。だから商人は、売れる理由・買われる理由・売れない理由・買われない理由 を把握して臨むべき。」
というのが、わたしのセッションのコアメッセージです。ECになんらかの形で関わる際には、ぜひこれらのことを思い出してください。

以下、懇親会・アンケートでいただいた質問です。

Q:ECチームのコンセンサスをどうとるべきか? ミーティングはすべきか?

A:売れない理由「不」についてブレストを行い、それについて どうやって無くしていくかを皆で話し合うだけでもよいのでミーティングしてください。

Q:売り手目線から買い手目線へのシフトがなかなかうまくいかない。

A:簡単です。客に聞けばよいのです。

Q:価格競争に巻き込まれています。どうすればよいでしょうか?

A:巻き込まれない方法なんて考えたらいくらでもあります。いくつか思考法はありますが、マトリクス法という手法を用いて考えるのも有効です。

Q:ECの市場の成長を細かく分析されていましたが、今後、衰退期に入った時にどのような対策が必要になるとお考えでしょうか?

A:これまでの様なテクニックで売るのではなく、商人としてのプロにならないと生き残れないでしょう。八百屋さんのように、お客様一人ひとりに対して顧客を個客として接して、ベネフィットを満たすような仕入れや売り方が必要だと思います。

Q:概要は理解したのですが、自社のブランドでどうすべきか?

A:自社ブランドの構築というテーマを、45分なんかで話せる訳がありません。あえていうなら 「自社のブランドは、客からどう思われたいのか?」「そのために、何をすべきか?」という ブランドアイデンティティを確立するのが一番大事でしょう。

◎ スライド
・「ECよ、今こそ 八百屋さんの商いに学べ 〜過渡期に突入した イーコマースで生き残るために最低限 必要な6つのこと〜」(PDF 4.6MB)

「EC事業者が自滅しないために必要な業務カイゼン 〜ウェブ制作者だった私がサイトを作らずに利益を増やした話〜」TD(フリーランス)

Session 4を担当したTDこと多田です。
CSS Nite in KOBE Vol.35にご参加いただき、誠にありがとうございました。また、長丁場のセッションとパネルディスカッション、大変お疲れさまでした。

今回は、業務カイゼンという切り口からワークフローと商品を見直し、生産性を上げつつ人的ミスによる手戻りも減らすための自動化と、お客さまのニーズにあわせた商品開発についての内容としました。

「業務カイゼン」と聞くと、効率化やコスト削減のイメージが強いかもしれませんが、私が今回お話しした事例では最初から「売上を伸ばすためにやる」「毎日の仕事をやりがいのある時間にしたいから、めんどくさい手作業や繰り返し作業は排除する」という明確な志向で取り組みました。効率化やコスト削減はできて当たり前。その先に、どんな目的を持って攻めていくのかが大切です。

みなさんもぜひ現行業務を定期的に見なおす機会をつくってください。
別に「業務カイゼン」という言葉を使う必要もありません。問題のあるものを良くする。すでによいものでも、より良くする。そのマインドで、小さくはじめられて効果の大きそうなものから順番に取り組むだけです。いきなり完璧を目指す必要もありません。カイゼンは継続的にPDCAを回していくことが大切なので、気軽に取り組んでみてください。必ず組織がよい方向に進んでいくはずです。

◎ セッション中に紹介したツールやサービス、参考サイト

・Illustratorのスクリプトによる自動化

気になった方や学びたい方は、入門書としてまずこの書籍が最適です。
Illustrator自動化基本編(Adobe JavaScriptシリーズ(NextPublishing)) | 古籏 一浩 | 工学 | Kindleストア | Amazon

実際に自分でスクリプトを書く際には、公式のリファレンスが役に立ちます。(英語)
Adobe Illustrator CC 2017 Scripting Reference: JavaScript

・ImageMagick

デモのなかで、商品画像の合成やバリエーション一覧画像の生成に利用していたツールです。
(デモのような複雑なスクリプトを書く場合、慣れないシェルスクリプトでは面倒なことも多かったので、Pythonなど好きな言語から利用するのがオススメです)

Imagemagickの使い方日本語マニュアル – 日本語のマニュアルが少ない画像加工ツールImageMagickの使い方を、初心者の方にも解りやすいよう詳しく丁寧に解説しています。

ピクシブさんの事例ですが、極めるとここまで高品質な商品画像を自動化して作っちゃうようです...。

ImageMagick・Blenderを使った画像合成技術 — ピクシブの画像処理エンジニアが語る(3) - pixiv inside

ImageMagickの豊富なデモスクリプトが紹介されているサイトです。(英語)
Fred's ImageMagick Scripts

◎ 時間の関係で紹介しきれなかった内容

セッションでご紹介しきれなかった事例として「副産物としてのカイゼン」があります。

1. 受注CSVから作業指示書を一括印刷できる社内サイト

以前は、製造の際の作業指示書がありませんでした。作業指示書というのは、製造する商品の商品番号や商品名、使用する生地や枚数、商品画像などの情報を記載した指示書のことです。
今回のカイゼンによって商品番号、商品画像のファイル名などが厳密な規則性を持つようになり、商品情報もスプレッドシートで管理するようになったので、それらを利用することで簡単に受注CSVから作業指示書を作れるようになったのです。

ウェブベースでPHPとBootstrapを使い、2〜3日程度で試しに作った仕組みですが、製造部門の生産性が上がると同時にミスも減り、効果は大きかったです。

2. 製造・出荷梱包部門の効率化

徐々に会社に「カイゼンの文化」が自然と根付きはじめ、社長と製造部門のスタッフが自然と業務カイゼンに取り組みはじめました。受注が増えたことで製造部門の生産性を高める必要に迫られた事情もあったかと思います。
そして、製造・出荷梱包のワークフローや社内レイアウトが大幅に見直されていきました。

作業指示書ができたことや、カスタマイズオプションの廃止などの効果も相まって、1日に製造・出荷できるウェアの枚数は1.5〜2倍に増えました。

◎ 質問

Q:業務カイゼンを行うということを上司等はすんなりと受け入れてくれましたか? 提案するうえでのポイントや工夫をお聞きしたいです。

A:はい。すんなりと受け入れてくれました。自由にやれるよう任せてもらえたので、よい結果が出たのだと思っています。

私の場合は、事例の会社の社長と数年来の知り合いで、常にウェブやECに関する情報交換を行ってきたので信頼関係があったことが大きいかもしれません。
以前から、同じ業界にいる人間としてチャットで気軽に相談し合ったり、ネットで気になった記事などのリンクもシェアし合っていました。そのため、入社した時点でお互いの人間性や実力をある程度わかっているような状態でした。

新たな施策に取り組む際に心がけていたのは、事前に必ず売上などの数字を見せてもらい、それをベースとした根拠のある問題提起や提案です。
また、「この先、会社として何に力を入れていきたいのか。会社をどうしたいのか」について、定期的に経営者に教えてもらうことで、認識のズレを減らして同じ方向を向けるよう意識しています。
そうすれば、「やるべきこと」「やらなくていいこと」について大体同じような考えを共有できている状態となるので、提案も受け入れてもらえやすくなります。

Q:タスクランナーなどの勉強会は、あまり何もわかっていなくても参加できますか?

A:スキルや知識を得るための近道の1つがセミナー・勉強会への参加だと考えているので、初心者でも積極的に参加したほうがいいと思います。
私自身、今年は神戸で業務ハック勉強会をはじめていきたいなと思っているのですが、事業者でも制作者でもコンサルの方でもどなたでもウェルカムです。

Q:カイゼンにあてる時間はどのように作られますか?

A:「カイゼンにあてる時間をどう作るか」というよりは「他の業務よりカイゼンを優先して取り組める状況をいかに作るか」というイメージのほうが近いかもしれません。

組織としてタスク管理をしているなら、ルーチンワークや通常の開発タスクと同じように、まずはカイゼン系のタスクも追加して見える化していくのがオススメです。
「xxでミスが多いのでフローを見なおす」のような具体的なタスクを追加したとして、他のスタッフも共感してくれれば優先順位も上がり、他の業務より優先して取り組ませてもらえる状況になるかと思います。

問題が見える化できていないと、みんなに共通の問題意識が生まれないので、時間を取るのがむずかしくなります。

Q:事業者の審美眼はどのように鍛えますか?

A:まずは期間を決めて、積極的にセミナーに参加して、気になった方を徹底的に追いかけてみるのも有効だと思います。

私自身、未経験のままECの会社を共同創業したばかりの頃は、ウェブ・ECの右も左もわからない状態で「このままじゃマズイな...」と思い悩んでいました。
そして1年間、月に数回セミナーや勉強会に参加すると決心して、神戸はもちろん東京・名古屋・大阪・岡山・北陸などのさまざまな分野のイベントに参加していました。懇親会にもできるだけ参加し、登壇者と直接お話しして人柄や背景についても知ることで、気になった人たちのFacebookやTwitterをフォローしてアウトプットを徹底的に追いかけました。

そうして各分野ごとに信頼できる人が見つかっていき、そんな人たちの知識や考え方、手法などに触れることで鍛えていただいているように思います。

◎ その他のリンク

私TDのFacebook
https://www.facebook.com/tadakozo

神戸業務ハック勉強会のグループ
(まだ何も情報はありませんが、徐々に整えていく予定です)
https://www.facebook.com/groups/498551680566057/

◎ スライド
・「EC事業者が自滅しないために必要な業務カイゼン 〜ウェブ制作者だった私がサイトを作らずに利益を増やした話〜」(PDF 34.3MB)

【パネルディスカッション】「EC事業者 x ウェブ制作者が、今あらためて思考すべきこと」

パネラー:村田 光俊・中林 慎太郎・TD・大月 茂樹
モデレーター:吉村 正裕